動物たちの病気 症例集診療内容の一部紹介

動物たちの病気 症例集

多血小板血漿(Platelet Rich Plasma:PRP)   PRP療法

血小板には、血管が損傷したとき、固まって出血を止める働きがあります。また、種々の成長因子を放出する働きもあります。

 

PRP(Platelet Rich Plasma)療法は、血小板が豊富に含まれた成分を用いた治療法で、 血小板の機能を活用した再生医療です。

 

PRP療法には、血小板から放出される成長因子等の成分により、傷んだ組織の修復や関節炎の症状軽減を促進する効果が期待されます。

 

大リーグで活躍する大谷翔平選手や田中将大選手が肘の靭帯損傷でPRP療法を受けたことで有名になりました。

 

PRPは自分の血液ですので、薬物のように副作用を起こすことは滅多にないというのも、PRP療法が広く支持されている理由の一つです。

 

治療するワンちゃんネコちゃん自身の血液から、血小板濃度を通常の血液の約3~7倍に濃縮したものを使います。これを使って傷ついた組織などの治癒を目指す再生医療です。

 

自身の末梢血を遠心分離して得られる血小板の豊富な血漿成分を、体内に注入する治療法です。

 

これにより、早期の治癒や痛みの軽減を期待できることがあります。

 

人の医療では、しわ・くぼみ・目の下のたるみ・クマなどの改善にも効果があるらしく、エイジングケアにも用いられているようです。 

 

みどり動物病院では主に骨折の手術の際にPRP療法を行います。

骨折した骨をインプラントで固定した後にPRP療法を併用するケースがあります。

全ての骨折整復手術でPRP療法を行う訳ではありませんが、癒合不全を起こしているケースや、骨折してから時間が経過しているケースでPRP療法を併用することがあります。

2021.08.29